3月の末に姪の結婚式で東京まで出かけたついでに兄弟4人が久し振りに集まったので箱根へ1泊旅行に出かけようということになりました。
結婚式の翌日に弟の家から小田原まで行き、小田原で東京からの組と合流し箱根登山鉄道、ケーブルカー、ロープウエイを乗り継いで芦ノ湖湖畔まで行き、さらに船で元箱根まで行きここで泊まりました。
元箱根では成川美術館を見学し、その後は皆で夕暮れ迫る芦の湖畔を歩いて恩賜公園までぶらぶらと散歩しました。恩賜公園では二百段の階段を上がって恩賜公園の一番上までで上がり、天気が良ければ目の前に富士山が見える姿を想像して霧の展望を楽しみました。細かい雨が降っていましたが、それもあまり気にならずしばしの散策を皆で楽しみました。
翌日はバスで強羅まで帰り、ここから別のバスでガラスの森美術館に行きました。ガラスの森美術館では古くは紀元前に作られた陶器のようなガラス細工から中世に作られたレースのカーテンを思わせるような文様で一面に飾られた実に繊細な細工ものまでありそのすばらしさに感嘆しました。
ガラスの森美術館の中で中世以前の所蔵品の鑑賞が終わって現代の製品の方に移りましたが現代の方は中世の作品ほどの繊細さがなくて見学を簡単に済ませて売店の方に行こうということになりました。
この後に、私にとって恐怖の瞬間がまっていようとは思いもよらないことでした。妻と並んで売店の階段を下りていき、階段が後三段ほどになったときに左足を踏み出して下の段に踏み出そうとした瞬間に左足の力が抜けたようになり膝に全然力が入らなくなり次の瞬間には左足を正座するときのように膝で降りそのまま階段を左足を折った状態で滑り降り膝小僧をしこたま階段下の地面に打ち付けてやっと停止しました。私はもちろん妻も何が起きたのかあっという間の出来事でした。
私の後ろを降りていたご婦人があわてて私の側に駆け寄り”大丈夫ですか”と声を掛けてくれるまで一体自分に何が起きたのか妻も私も全くわからず、件のご婦人の声で我に返りそれから膝の痛みがズキンときたような状態でした。一部始終を見ていた店員さんも慌てて駆け寄ってきて”落ち着いてください”と椅子の所まで誘導してくれました。緊張していたせいか不思議に痛みはそれほどでもなく店員さんが消毒とかガーゼを用意してテープで留めてくれるのを他人事のように見ていました。
しかし歩き出そうとすると、なんとか歩くことは出来ますが、普通に歩くことは出来ない状態で、もうこれで見学は中止して強羅まで出てかえることにしました。その後は箱根登山電車の中でも、帰りの新幹線でも膝の痛みはそうたいしたこともなく、岡山駅では夕飯を食べて帰る余裕がありました。
夜にはきっと膝が腫れて痛んでくると思っていましたが、幸い朝になっても腫れもせず痛みも表面の傷の痛みだけで、骨には異常がなかったみたいです。しかし思い出しても寒気がするようなことで、もしあれが階段の上の部分で起きていれば大事故になっていたことは間違いありません。今年の誕生日で68歳になりますが、気分だけは未だ若いままで身軽に動けると勘違いしていましたが、これからは階段を下りるときは必ず手すりに掴まって降りるようにしなければと肝に銘じた出来事でした。 |